シュワブ財団はなぜ、世界経済フォーラムに社会起業家30人を送り込むか / ビジネス、政治、非営利、メディア… ソーシャルイノベーションに必要なのは社会起業家だけではない | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

シュワブ財団はなぜ、世界経済フォーラムに社会起業家30人を送り込むか / ビジネス、政治、非営利、メディア… ソーシャルイノベーションに必要なのは社会起業家だけではない

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2014年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)が1月22日~25日に開催される。
 
ダボス会議を開催している世界経済フォーラムはビジネス界、政治、非営利、メディア等の各分野におけるリーダーが連携し、世界的な問題を改善する為に活動している組織。
 
2014年のダボス会議のテーマは“The Reshaping of the World: Consequences for Society, Politics and Business”だ。このテーマをベースに、数々の興味深いプログラムが組まれている。YouTubeで随時公開される動画で、フォーラムの様子をチェックしてみるのもいいかもしれない。
 
今年の世界経済フォーラム年次総会にはシュワブ財団という非営利組織から、30人の社会起業家が参加することになっている。
 
シュワブ財団は社会起業の促進等を目的に、スイス・ジュネーブを拠点とし1998年に設立された非営利組織で、毎年優れた社会起業家を選出するソーシャル・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー”Social Entrepreneur of The Year”開催等の活動を行っている。
 
シュワブ財団を設立したのはクラウス・シュワブと、その妻ヒルデ・シュワブ。クラウス・シュワブは1971年に世界経済フォーラムを立ち上げた人物だ。このことから、シュワブ財団と世界経済フォーラムは非常に近い存在にある。
 
このシュワブ財団から選ばれた社会起業家30人が2014年のダボス会議に出席する。これにはどんな意味があるか。
  
社会起業家が取り組む社会問題は時に、ビジネス、政治、非営利等、多様な組織や人々を結びつけ、コラボレートさせなければ解決できない。その為、社会起業家に必要な能力とは、一人で全てをやりきることではなく、ソーシャルイノベーションに必要な能力や資源を各方面から集結させ、それらをつなぎ合わせて社会問題を解決に導くことだと言える。
 
ソーシャルイノベーションに必要なのは、社会起業家だけではない。社会起業家ひとりの力では社会問題は解決しない。
  
このように考えると、シュワブ財団のように社会起業家を支え、他セクターとの”化学反応”が起きる手助けをする組織は非常に重要だ。シュワブ財団が社会起業家を世界経済フォーラムの年次総会に参加させるのは、ビジネス、政治等のセクターとソーシャルセクターをつなぎ、”化学反応”を促進する触媒として社会起業家を捉えていることの表れだ。
 
繰り返しになるが、ビジネス、政治、非営利、メディア、アート、宗教、そして一般市民…多様な社会問題はこれら社会の参加者全体に及んでいるし、その意味でソーシャルイノベーションは社会起業家だけのものではない。社会起業家がリードして、こうした社会の参加者全体を巻き込んでいくものなのだ。
  
シュワブ財団から選ばれた社会起業家30人が、世界経済フォーラムのような国際的舞台で強力なリーダーシップを発揮し、ビジネス界、政治、メディア等の各分野のリーダーを巻き込んで、ソーシャルイノベーションを実現していくことを期待したい。
 
また、日本にいる私たちも、ダボス会議の様な場で一体何が話されているのか、注視していく必要がある。
(文/五十嵐裕一)


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