TCAP’S VIEW&INSIGHTS #007 / ②<改訂版>ソーシャルビジネスモデル・フレームワーク / 14のブロックでソーシャルビジネスモデルを検討する革新的な方法論 | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

TCAP’S VIEW&INSIGHTS #007 / ②<改訂版>ソーシャルビジネスモデル・フレームワーク / 14のブロックでソーシャルビジネスモデルを検討する革新的な方法論

TCAP, ビジネスモデル/戦略/組織
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1.対象とする社会問題
さて、このフレームワークを使う際に最初に考えるべきは「1.対象とする社会問題」である。
このブロックでは、どのような社会問題を解決する為にソーシャルビジネスを行うかを定義する。
このブロックが決まらないという事は、どのような社会問題を解決するのかが決まっていないということになり、
社会問題の解決を目的とするソーシャルビジネスの検討を進めることが出来ない。

ソーシャルビジネスを立ち上げたいが、どのような社会問題を解決するかが見えていないと言う方は、是非このブロックを検討することから始めてほしい。
逆に、何となく自分がやりたいソーシャルビジネスのイメージがあるはずなのに、いざ「対象とする社会問題」は何か問われると、明確に応えることが出来ない方もいるだろう。

そのような場合は、社会問題の定義が曖昧なままソーシャルビジネスを立ち上げようとしているに違いない。
ソーシャルビジネス立ち上げにおいて、解決したい社会問題の定義が曖昧だと、ソーシャルビジネスモデルの他の要素にもブレが生じてしまう。
まずは、対象とする社会問題を明確に定義することをお勧めする。
(TCAPは社会問題を定義する方法として、社会問題の構造化アプローチを提唱している)

2.対象者
社会問題が定義できたら、次に「2.対象者」について考える必要がある。
このブロックでは、「1.対象とする社会問題」に困っている人は誰か、誰に社会価値を提供するかを検討する。
「対象者」とは、「社会価値を提供する対象者」という意味だ。

ここでは、例えば以下のような論点を置いて対象者を考えると良い。

論点①対象者としてどのようなセグメントが考えられるか
論点②そのセグメントの中で誰を対象者とすべきか
②-1.どの対象者セグメントがどの程度社会問題に困っているか
②-2.自社・自団体(自分自身)がリーチできるか
②-3.他の団体はどの対象者セグメントをカバーしているか

論点①で対象者になり得る候補を洗い出し、論点②でその対象者候補から、自社・自団体がどのセグメントを選択するかを絞り込む、という流れだ。対象者のセグメンテーションは、必要に応じてセグメンテーション・マトリックスを作るなどして行うと良いだろう。
 
3.提供する社会価値
「1.対象とする社会問題」が決まり「2.対象者」を特定したら、次は「3.提供する社会価値」を考えるステップだ。
ここでは、「2.対象者」にどのような社会価値を提供するかを考えていく。
社会価値とは「社会問題を解決する為に生み出される価値」と述べたが、具体的に提供する商品やサービスをイメージしても良い。

良く企業のホームページなどで、「私たちはお客様により良い価値を提供します」というメッセージがある。
企業は商品やサービスを通じて、顧客に価値を提供している。(=顧客価値)

同様にソーシャルビジネスを担う事業者も、モノやサービスを通じて、社会問題に困る人々へ価値を提供することになる(=社会価値)。このブロックで考えるのは、提供する価値は何で、それをどのようなモノやサービスに乗せて社会問題に困っている人へ届けるか、という事になる。

例えば、清潔な飲料水の確保に悩む開発途上国を支援する為に、井戸を設置するプロジェクトであれば、提供する社会価値は「清潔な飲料水を、便利に確保することができる井戸」という事になる。

このブロックは以下の論点を置いて検討すると良い。

論点①対象者の課題は何か。何に困っているか(=対象者のニーズ)
論点②対象者の課題は、どのような価値提供で解決可能か
論点③どのようなモノやサービスで価値を届けるか

お気づきかもしれないが、このブロックで最も重要なことは対象者の課題を明らかにすることだ。
ただ対象者の課題を捉えることは非常に難しい。
アンケートを実施したり、直接対象者から話を聞ければ良いが、そうもいかない場合もある。
このSBMフレームワークのベースとなっているビジネスモデルジェネレーションという本で紹介されている共感マップ(XPLANE社が開発した顧客理解の為のツール)は、対象者のニーズを理解する為に利用することも可能だ。

また、SBMフレームワークでは最初から正しい答えを求める必要はない。
SBMフレームワークはあらゆる思い込みや制約を排除し、創造的なソーシャルビジネスモデルの仮説を構築・検証する為のツールであり、あくまで最初は「仮説」として作成し、後に実際に現場でその仮説を検証すれば良いだけの話だ。この辺りは前回の記事や、仮説検証型の事業立ち上げ方法論のリーンスタートアップについて書いた記事「社会起業こそ”リーンに”立ち上げよ / リーンスタートアップと社会起業 注意すべき2つのポイント」を参照されたい。

要は、SBMフレームワークを使ってソーシャルビジネスモデルを検討する段階では、提供する社会価値が必ずしも正しいものでなくても良い、という事を覚えておいてほしい。あくまでその時点で正しいと思われる仮説が描ければそれでよいのだ。大事なのは仮説が明示的に設定されていて、何を検証すればよいか分かっている、ということだ。

<次のページへ続く>



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