TCAP’S VIEW&INSIGHTS #007 / ②<改訂版>ソーシャルビジネスモデル・フレームワーク / 14のブロックでソーシャルビジネスモデルを検討する革新的な方法論 | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

TCAP’S VIEW&INSIGHTS #007 / ②<改訂版>ソーシャルビジネスモデル・フレームワーク / 14のブロックでソーシャルビジネスモデルを検討する革新的な方法論

TCAP, ビジネスモデル/戦略/組織
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8.顧客
さて、ここから経済価値モデルのブロックを見ていきたい。
「8.顧客」では、ソーシャルビジネスにおける顧客は誰かを定義する。
「対象者」のブロックは、社会問題に困っている人を定義したが、「顧客」はその社会問題と直接関連している必要はない。

例えばボルヴィックの1L for 10Lというプロジェクトは、ボルヴィックのミネラルウォーターの売上の一部を使って、マリ共和国で井戸設置・維持管理が行われている。この場合、「対象者」はマリ共和国で清潔な水の確保に困っている人々だが、「顧客」はミネラルウォーターを購入する消費者ということになる。

また、顧客に「寄付者」を当てはめれば、寄付型の事業を検討することもできるし、顧客に「行政」を当てはめれば、行政からの委託事業もパターンの一つになり得る。
ソーシャルビジネスを拡大解釈し(一般的なソーシャルビジネスの定義からはずれるが)、寄付型や委託型も含めるとこのSBMフレームワークの適用範囲は格段に広がる。

さらに、「対象者」と「顧客」が一致するパターンもあり得る。
対象者から直接、モノやサービスの対価を受け取る場合、「対象者」は同時に「顧客」でもあるわけだ。

9.提供する顧客価値
このブロックは、顧客にどのような価値を提供するかを定義する。
先ほどの1L for 10Lの例では、例えば「おいしいミネラルウォーター」「持ち運び便利なPETボトル入りのミネラルウォーター」「購入することで社会貢献できる商品」などが顧客価値となるだろう。

ちなみに、「対象者」と「顧客」が一致するパターンの場合、「提供する社会価値」と「提供する顧客価値」も一致する場合がほとんどだ。

10.セールスチャネル
「10.セールスチャネル」は顧客に対してどのようにアプローチし、商品やサービスを販売するかを定義するブロックだ。
店舗での対面販売、オンラインショップ、人的営業活動など、最終的にどのように販売するかはもちろん、セールスファネル全体をどのように設計するかを検討すると良い。(セールス・ファネルとは、見込み客から受注へと顧客が絞り込まれていくプロセスを表わしたもの。)
SBMフレームワーク_④

11.顧客との関係
「11.顧客との関係」は、顧客とどのような関係を築くかを定義する。
 
「2.対象者」と「8.顧客」、「3.提供する社会価値」と「9.提供する顧客価値」が一致する場合は、「5.対象者との関係」と「11.顧客との関係」も一致することが多い。

12.主要な活動
「12.主要な活動」は経済価値モデルを実現する上でカギとなる重要なビジネスファンクションを検討するブロックだ。
例えば、1L for 10Lの例では、商品の製造・流通、広告・キャンペーン活動などが主要なビジネスファンクションになるだろう。

「2.対象者」と「8.顧客」、「3.提供する社会価値」と「9.提供する顧客価値」が一致する場合は、「6.主要な活動(社会価値モデル)」と「12.主要な活動(経済価値モデル)」も一致することが多い。

13.主要な経営資源
「13.主要な経営資源」は経済価値モデルを実現する上で、カギとなる重要な経営資源を定義する。
例えば、1L for 10Lを例にとると、生産ラインや原材料である水の確保や人材の確保等が考えられる。

「2.対象者」と「8.顧客」、「3.提供する社会価値」と「9.提供する顧客価値」が一致する場合は、「7.主要な経営資源(社会価値モデル)」と「13.主要な経営資源(経済価値モデル)」も一致することが多い。

14.収益モデル
最後に残ったのが「14.収益モデル」だが、このブロックは非常に重要だ。
ソーシャルビジネスモデル全体でどのように収益性と事業の持続性を確保するかを検討する。

ここでは、市場ポテンシャルの推定や、収益構造の推定などのデスクトップシミュレーションが有効だ。
(市場規模推定、収益構造シミュレーションなどの方法はまた別の機会に)

検討しているソーシャルビジネスモデルはどの程度の市場ポテンシャルがあって、どの程度売上が見込めるか、
必要な費用は何で、どの程度の利益が望めるのかを検討することで、事業の持続性を確認していく。

また、収益モデルを考える上でソーシャルビジネスモデル全体で、どこで収益が上がり、どこにコストがかかるかを明確にしておく必要がある。これはSBMフレームワーク上で、「収入」と書かれている部分に主要な収入を、「コスト」と書かれている部分に主要な費用項目を書いておく。その上で、下の図のように矢印で結ぶと視覚的に分かりやすい。
SBMフレームワーク_⑤

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