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ソーシャルイノベーションのキーワード ”Collective Impact”とは

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”Collective Impact”の登場は2011年
複雑な社会問題に取り組むソーシャルビジネス、ソーシャルイノベーションの世界において、コラボレーションは重要なキーワードだ。非営利セクター、行政に加え、営利企業までもが積極的に社会問題に取り組み始めた昨今は、セクターを超えたコラボレーションも注目されている。例えば、企業とNPOのコラボレーションによるプログラム等も徐々に増え始めている。
 
さて、2011年、ソーシャルイノベーションを扱う雑誌「Stanford Social Innovation Review(以下SSIR)」に登場した”Collective Impact”という言葉をご存じだろうか。
 
Collective Impactとは、John Kania(FSG マネージングディレクター)とMark Kramaer(ハーバード大学 ジョン・F・ケネディ行政大学院 上級研究員/FSG マネージングディレクター)がSSIRで発表した論文”Collective Impact”で使われた言葉で、複数の異なるセクターに属する組織が、ある社会的な課題を解決する為に共通のアジェンダ”Common Agenda”の元にコラボレーションし、インパクトを創出することを意味する。立場の異なる組織が、壁を越えてコラボレーションし、社会的課題を解決すると言うことだ。
 
Collective Impactの対義語として用いられているのが、Isolated Impactと言う言葉だ。
Isolated Impactは文字通り、一組織単独でソーシャルインパクトの創出に取り組むことを言う。

※Collective=集合的、共同的な Isolated=独立した、単独の

しかし、一組織に閉じた取り組みでは、投入する資源、ケイパビリティが限られ活動のスケーラビリティも限定的となりがちだ。

豊富な経営資源、ケイパビリティを有する大企業が新たなビジネスに取り組む場合などでは、単独でもそれなりのスケーラビリティは出せるかもしれないが、ビジネス的側面と社会的側面を併せ持ち、より複雑な取り組みともいえるソーシャルビジネスやソーシャルイノベーションは、例え大企業や大規模NPO、行政であっても、単独の力では満足な結果を得ることは難しいだろう。
 
”Collective Impact”に必要とされる5つの条件
John KaniaとMark Kramerは、Collective Impactを実現する為に必要な条件を5つ、以下の通り提示している。

1.Common Agenda(共通のアジェンダ)
2.Shared Measurement(結果の測定、管理の共有化)
3.Mutually Reinforcing Activities(相互に補完、連動し合うアクティビティ)
4.Continuous Communication(継続的コミュニケーション)
5.Backbone Support(サポート組織)

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今回はこれら5つの条件について、我々の理解に沿って説明していきたい。
1.Common Agenda
John KaniaとMark Kramerによると、Common Agendaとは全ての参加者がビジョンを共有することであり、社会的課題に対する共通理解と、関係者間で合意されたアクションに基づく、共同的アプローチが含まれている。

要するに、取り組むべき社会的課題についてすべての関係者で認識を一致させ、その課題を解決する為のアクションを同期化するということになる。

恐らくこのCommon AgendaがCollective Impactにとって最も重要な項目ではないだろうか。
いくらセクター間、組織間のコラボレーションを実現しようとしても進むべき方向がずれていては、取り組み自体が破たんする可能性がある。

また、いくら目的や方向性が共有されていても、それがアクションレベルまで合意されていないと、取り組みのインパクトが最大化されることはない。組織間のコラボレーション効果を最大限引き出すには、各組織が自分たちの強みを最大限発揮し得るアプローチが徹底的に議論されている必要がある。これが無いと、結局はIsolated Impactとさして変わらないことになる。

<続きは次のページへ「2.Shared Measurementとは」>



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