企業とソーシャルビジネス / ソーシャルビジネス実現の5つのポイント | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

企業とソーシャルビジネス / ソーシャルビジネス実現の5つのポイント

TCAP, ビジネスモデル/戦略/組織
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緑と空

近年、企業においても、社会的課題対応に対する重要度が高まっている。M.ポーターの”CSV”や、”ソーシャルビジネス”等のキーワードによって、「ビジネス」と「社会的課題への取り組み」が急速に交わり始めている。もちろん、以前からCSRの位置づけで、企業が社会貢献活動の担い手となるケースは多かったが、あくまで「企業の本業の外側」の話であった。しかし、CSVやソーシャルビジネスは、事業の中で社会的課題に対応していく「企業の本業そのもの」の話だ。
 
我々は、企業がソーシャルビジネスを実現することは、CSR活動を実行するよりも、何倍も困難であると考えている。本稿では、企業がソーシャルビジネスを実現する上での課題について考えていきたい。
 
ソーシャルビジネス実現の課題とは
TCAPは、営利企業においてソーシャルビジネスを実現する場合に課題となるポイントを、以下の5つに整理した。
 
1.ビジョンの共有
2.社会的価値の目標設定
3.組織の独立性
4.経営資源の配分
5.戦略・ビジネスモデル立案

以降、この5つのポイントについて、順を追って説明していきたい。

1.ビジョンの共有
「ビジョン」といっても捉え方は様々だが、今回は「ある事業において目指すべき姿」を指すものとしたい。

企業が新たな事業をソーシャルビジネスとして立ち上げる場合を想定して頂きたい。新たにソーシャルビジネスを立ち上げるのであれば、まずはその事業で実現したいビジョンを描くはずだ。当然そのビジョンは、ソーシャルビジネス立ち上げに携わるメンバー全員が共有していることが理想的だろう。
 
メンバー全員とは、事業の責任者であるマネジメント層から、実行を担う社員、外部のパートナーを含む”全員”を指す。ビジョンの共有は通常のビジネスにおいても、難しい課題ではあるが、ソーシャルビジネスともなると、その重要性はより高まる。
 
ソーシャルビジネスは、通常のビジネスとは異なる”社会的意義”を持っている。それをビジョンとして関係者全員が理解せずして、そのソーシャルビジネスの目標や戦略等の重要な事柄が肚落ちするはずがない。

例えば、あるソーシャルビジネスの社会的意義が「A製品を普及させることで、途上国ZのX万人の健康的生活を実現する」という事を理解せずして、その事業の目標が「X万人にA製品を普及すること」であることが肚落ちするだろうか。ビジョンが共有されていない人間の頭には、「製品の普及が目的ではなく、利益率が目的ではないか」といった類の疑問が生まれる可能性が高い。これを防ぐためにはビジョンの共有が必要となる。

<続きは次のページへ「社会的価値の目標設定」>
 



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