SWORD & PLOUGH / ファッション×退役軍人!? アメリカで注目のファッションブランド | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

SWORD & PLOUGH / ファッション×退役軍人!? アメリカで注目のファッションブランド

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SWORD & PLOUGH
アメリカに「SWORD & PLOUGH」というファッションブランドがあるのをご存知だろうか。
カモフラージュ柄、カーキやネイビー色のおしゃれなバッグ、アクセサリー、Tシャツ等を展開するファッションブランドだ。

このブランドの創業者はEmilyとその妹のBetsyの二人。

彼女たちは、軍人の家庭に生まれ育った。
その影響から、Emilyは大学在学中に予備役将校訓練課程(ROTC*1)を受けることになる。
このような環境の中で、彼女は退役軍人の失業問題に直面。

Emilyは、退役軍人の雇用問題を解決する為に、
軍の余剰物資からおしゃれなバッグを生産・販売するビジネスを思いつく。
   
*1 ROTC= Reserve Officers’ Training Corps
アメリカで、特定の大学に設置されている軍人教育課程のこと
一般の学生と同じ授業を受けながら、ROTCを受けると、卒業後に初級将校として任官される

 
そのビジネスで退役軍人を雇用できれば、
余剰物資の無駄をなくしつつ、雇用問題も解決できると考えたのだ。
 
SWORD & PLOUGHというブランド名は、”to turn swords into plough shares”というフレーズから来ている。
このフレーズは、旧約聖書・イザヤ書の一節が基になっているのだが、”軍事技術や物資を民生品に活用する”という意味だ。
SWORD & PLOUGHは、まさにこのフレーズを体現するブランドと言える。

販売されているバッグやアクセサリーは、ミリタリー物特有の無骨さは控えめで、
女性が使えるハンドバッグやトートバッグが多い。
ミリタリーの雰囲気は残しつつ、普段から気兼ねなく使えるファッションアイテムに生まれ変わらせるあたりは、
純粋にファッションブランドとしても評価され得るのでは。
 
SWORD & PLOUGHの生み出すソーシャルインパクト
SWORD & PLOUGHは、ソーシャルインパクトとして、以下の4つを定義している。
1.PEOPLE
2.PURPOSE
3.PLANET
4.(10% of)PROFIT

1.PEOPLE 「SWORD & PLOUGHは、退役軍人の雇用を生み出す」
例えば、倉庫のマネージャーとして退役軍人を雇用、
ビジネスパートナーとして、退役軍人の起業した会社を選定、といった方法で雇用を創出。
興味深いのは、SWORD & PLOUGHのファッションモデルとしても、空軍、陸軍の退役軍人が起用されていること。
 
2.PURPOSE
SWORD & PLOUGHは、軍人と市民の間にある垣根を解消することを活動の大きな目的としている。
その為、共同創業者のEmilyやBetsyが講演を行うことも多い。
  
3.PLANET
軍用品を民生品へ生まれ変わらせるアップサイクル(リサイクルでは無く、”物に新たな価値や意味を付加する再利用”のこと)を実現。
地球環境の保全にも貢献している。

4.10% of PROFIT
SWORD & PLOUGHは利益の10%を、退役軍人に関する様々な問題に取り組む為に活用。
様々な団体へ寄付が行われている。
 
 
明確なソーシャルインパクトと、それを実現するビジネスモデル、
純粋におしゃれなバッグやアクセサリーとして評価し得る商品たち。
 
SWORD & PLOUGには、社会的企業として学ぶべき点が多いのではないだろうか。


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