
社会的価値創出と経済的価値創出に相関関係はあるか?
2013年3月号のDIAMOND”ハーバードビジネスレビュー”に興味深い記事が掲載された。
ハーミニア・イバーラ・INSEAD教授、モルテン T. ハンセン・カリフォルニア大学バークレー校情報大学院教授・INSEAD教授、ウルス・ペイエ・INSEAD准教授の「世界のCEOベスト100」という論文だ。
題名通り、この論文は世界のCEOを定量的に評価し、100位までのランキングを掲載したもので、第一位にはあのスティーブ・ジョブスが選出されている。
この論文の後半に、調査対象となった各社を二軸でマッピングしているチャートが掲載されている。
その縦軸は「社会・環境面の業績」、横軸は「財務業績(総株主投資利回りの順位)」。チャートを見ると、企業を表す”点”が全体に分散してマッピングされている。このチャートを見れば、縦軸の数値、横軸の数値が共に高い企業(実際の図ではチャートの右上にマッピングされることになる)、つまり社会・環境面の業績にも優れているし、同時に財務業績にも優れている企業が一目で分かる。
そして本文には、こんな記載がある。
「財務業績と、社会面・環境面 ― 両者の相関関係はゼロであることが判明した…」
さらに文章はこう続く。
「多くの論文はサステナビリティ(持続可能性)など、企業の責任ある行動がそのまま財務業績の改善に結びつくと主張しているが、どうやらそれほど単純なことではない。」
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