TCAP’s VIEW & INSIGHTS #2 /ソーシャルビジネスをデザインする – TCAPが提唱するソーシャルビジネスモデル・フレームワーク | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

TCAP’s VIEW & INSIGHTS #2 /ソーシャルビジネスをデザインする – TCAPが提唱するソーシャルビジネスモデル・フレームワーク

TCAP, ビジネスモデル/戦略/組織
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はじめに・「ソーシャルビジネスモデル」が必要となる時代
近年”ソーシャルビジネス”という言葉が、注目され始めている。
国内では、多くの若手社会起業家が活躍し始め、既存のNPOや営利企業の概念を越えた新たな組織が生まれている。

ソーシャルビジネスにおいて日本の先を行く他の先進国に目を向けると、2000年代に入り、
イギリスではCommunity Interest Company(コミュニティ利益会社)が、アメリカでは、L3C(低収益有限責任会社)が制度化され、ソーシャルビジネスに取り組む組織が活動しやすい仕組みが整いつつある。

このような潮流の大きな背景として、営利企業や非営利組織がある種のターニングポイントを迎えている現状があるのではないかと、TCAPは考えている。

営利企業はこれまで、経済的な利益を追求することを目的として動くことが多く、事業活動における判断基準には常に、売上や利益、ROI、ROAなどが用いられてきた。

経済的な価値のみを判断基準とした結果、社会や環境に悪影響を及ぼすことも多く、消費者の反発を買い社会的制裁を受けるなど、事業そのものの継続性に疑問符が付き、企業とは何の為に存在するのかという根本的な議論に企業自身が立ち返ることとなった。

もちろん、営利企業とは社会に対して、全く無頓着であったかというとそうでは無く、CSRの名のもとに、企業は自社の本業とは無関係な社会貢献活動をコストを払って実施するケースが多く見られた。一方では自社のバリューチェーン上で環境や社会に負担をかけつつ、素知らぬ顔でCSRとしてボランティア活動を行っているケースも少なくなかったはずだ。

また、もともと社会問題の解決や、社会貢献を担っていたNPOは(特に日本国内において)、社会的価値を追求するが故に、事業の収益性を犠牲にすることが多かった。

もちろんこの姿勢自体を否定するものでは無いが、結果的に、社会的なインパクトを増大させ、かつ社会貢献事業そのものの持続性を担保するためには、収益性を考慮することも重要ではないか、という考え方が広まりつつある。

収益性を追求した結果、社会や環境への配慮に欠ける振る舞いに走り、事業そのものの継続に支障をきたし始めた営利企業。

社会的価値を追求した結果、事業を継続的に行うための収益的側面を犠牲にし、結果として社会的インパクトの拡大・事業継続に対する不安を拭いきれない非営利組織。

このような時代の中で、これからの営利企業、NPOには、社会問題の解決と収益性の追求という二つの、一見相反する価値を同時に創出することが求められるのではないかとTCAPは考えている。

これはマイケル・ポーターにより提唱されている「共通価値の創造」の考え方を基本的に踏襲するものであり、TCAPは社会問題の解決を「社会的価値」の創造、収益性の追求を「経済的価値」の創造と定義し、これらを同時に実現することを志向している。

さて、社会的価値と経済的価値の同時実現という難しい問いに答えるためには、革新的で創造性に溢れ、なおかつ効果的で実効性のあるビジネスモデルが必要となる。

「ビジネスモデル」という言葉は、収益性のみを追求した事業について使用されるイメージが強い為、ここでは、社会的価値(社会性)と経済的価値(収益性)の両方を同時に創出する「ビジネスモデル」を「ソーシャルビジネスモデル」と定義したい。

ここではまず、TCAPが考える「ソーシャルビジネスモデル」の説明に入る前に、その土台となる「ビジネスモデル」ついて簡単に説明し、さらに「ビジネスモデルキャンバス」というフレームワークについてその概要を説明する。

TCAPの「ソーシャルビジネスモデル」とは、基本的にこの「ビジネスモデルキャンバス」の思想をベースに考えられている為、ここは読み飛ばさずに読んでいただきたい。
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