TCAP’s VIEW & INSIGHTS #2 /ソーシャルビジネスをデザインする – TCAPが提唱するソーシャルビジネスモデル・フレームワーク | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

TCAP’s VIEW & INSIGHTS #2 /ソーシャルビジネスをデザインする – TCAPが提唱するソーシャルビジネスモデル・フレームワーク

TCAP, ビジネスモデル/戦略/組織
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ソーシャルビジネスには、「社会問題解決モデル」と「ビジネスモデル」の統合が必要
ところで、これまで述べてきたのは、主に”既存の”営利企業のビジネスモデルの話だ。
マーク・ジョンソンのフレームワークも、ビジネスモデルキャンバスも、基本的には営利企業の経済的価値を追求する事業活動を主眼としている。
(誤解の無いように触れておくと、決してビジネスモデルキャンバスが営利企業にしかあてはまらない、と言っているわけではない。)

しかし、冒頭に述べたように、今、営利企業は社会的価値の、非営利組織は経済的価値の重要性に気づき、社会的価値と経済的価値を同時に実現するソーシャルビジネスを目指す必要性が増していく中で、マーク・ジョンソンのフレームワークやビジネスモデルキャンバスをさらに進化させ、ソーシャルビジネスに最適化されたフレームワークが求められているのではないだろうか。

それでは、ソーシャルビジネスに最適化されたフレームワークとは一体どのようなものか。
まず、もう一度ビジネスモデルキャンバスの構成要素を見て頂きたい。

顧客セグメント、顧客にもたらす価値、流通チャネル、顧客との関係
主な活動、主な資源、パートナー、コスト、収益の流れ

ビジネスモデルキャンバスでは、この9つのブロックでビジネスモデルを定義していく。
どのような顧客セグメントに、どのような価値を提供して、収益を得るか、それを実現する為にキーとなる活動や資源は・・・といった具合だ。

これを見るとソーシャルビジネスにとって最も重要な要素が抜け落ちていることが分かる。
それは、どんな社会問題を、どの様に解決するか、という社会問題解決の視点だ。

ソーシャルビジネスに関わらず、社会問題の解決を目的とする事業活動においては、どのような社会問題に、誰が困っていて、それに対してどのような価値を、どのような方法で提供するのか、その活動に必要な活動や経営資源は何か・・・といった社会問題解決の仕組みを考える事が不可欠だ。

ここでは、この社会問題解決の仕組みを「社会問題解決モデル」と呼ぶこととする。

ビジネスモデルキャンバスを使った場合、顧客セグメントに”社会問題に困っている人”を置き、価値提案に”提供する社会的価値”を置けば、NPOなどの非営利組織でも応用することはできる。

しかし、例えばビジネスとして収益を得る対象と、社会問題に困っている人々が別に存在する場合、
ビジネスモデルキャンバスでは、ソーシャルビジネスの全ては表現しきれない。

コーズマーケティングがいい例だ。
有名なボルヴィックの1L for 10L(※詳細はリンクを参照 1L for 10L)を例にとって考えてみよう。

順にビジネスモデルキャンバスのブロックを埋めていくと、まず”顧客セグメント”にはミネラルウォーターを購入する人々のプロファイルがプロットされる。”顧客にもたらす価値”には、その人々がミネラルウォーターによって得られる価値(例えば、”衛生的かつおいしい水を好きな時に飲むことができる”、”健康的にのどの渇きを癒すことが出来る”等々)が入る。そして、流通チャネルには、自動販売機、コンビニなどのチャネルが・・・と言った具合だ。

しかし、キャンバス上には、ミネラルウォーターの収益の一部がユニセフに寄付され、その寄付を基に途上国で井戸が作られ、衛生的な水を飲むことが出来ない状況にある人々の命を救い、健康的な生活を助けている・・・と言った”社会問題の解決の流れ”が描かれることはない。

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