TCAP’s VIEW & INSIGHTS #2 /ソーシャルビジネスをデザインする – TCAP ソーシャルビジネスモデル・フレームワークを解説 | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

TCAP’s VIEW & INSIGHTS #2 /ソーシャルビジネスをデザインする – TCAP ソーシャルビジネスモデル・フレームワークを解説

TCAP, ビジネスモデル/戦略/組織
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社会問題解決モデルとは、前回のコラムでも述べた通り、どのような社会問題に、誰が困っていて、それに対してどのような価値を、どのような方法で提供するのか、その活動に必要な活動、パートナーとの連携や経営資源は何か・・・といった要素を含む、”社会問題解決の仕組み”のことだ。

TCAP_Column_02_pic_SBMF_社会問題解決モデル

ソーシャルビジネスモデル・フレームワークでは、以下の9つのブロックで「社会問題解決モデル」を定義する。

1.解決したい社会問題(Social Issue To Be Resolved)
2.社会問題解決の対象者(Targets Of The Social-issue-solving)
3.提供する社会価値(Social Value Proposition)
4.デリバリーチャネル(Delivery Channel)
5.社会(Society)
6.コミュニケーションチャネル(Communication Channel)
7.主要な活動(Activty)
8.経営資源(Resources)
9.資金提供(Funds)

これらの要素によって、どのような社会問題について(=「解決したい社会問題」)、
誰に対して(=「社会問題解決の対象者」)、どのような価値を(=「提供する社会価値」)、どのように届けるか(=「デリバリーチャネル」)、それをどのように(=「主要な活動」「経営資源」)実現するか…と言った社会問題解決の仕組みを説明することが出来る。

以降、9つのブロックの個別の説明に入る。
今回は以下の様な「衛生的な水を途上国に届けるプログラム」を記入例として考えていきたい。

例:「衛生的な水を途上国に届けるプログラム」
・自社「X water project(NPO)」:途上国の水問題を解決する為に、日本国内で様々なキャンペーンやプログラムを通じて寄付を募るNPO
・パートナー「ABCD waters(NPO)」:実際に途上国で水問題を解決するために井戸を採掘するプログラムをリードするNPO
・パートナー「建設会社 Z社」:グローバルに展開する建設会社で、井戸採掘プログラムにて技術支援を担当
・パートナー「ミネラルウォーターメーカー α社」:X water projectと協働で、寄付つきのミネラルウォーターを販売

1.解決したい社会問題(Social Issue To Be Resolved)
このブロックでは、このソーシャルビジネスによって、どのような社会問題の解決を目指すのかを定義する。
ソーシャルビジネスは基本的に、社会問題の解決が第一の目的となる為、このフレームワークを使用してソーシャルビジネスモデルをデザインする際は、原則、このブロックから先に埋めることになる。

「衛生的な水を途上国に届けるプログラム」を例にとると、記入例は以下の様なイメージとなる。

記入例)衛生的な水に簡単にアクセスできないことによって生じる途上国の衛生・健康問題を解決する

2.対象者(Targets Of The Social-issue-solving)
このブロックでは、「1.解決したい社会問題」で定義した社会問題に困っている人々のうち、このソーシャルビジネスでは”誰を”対象とするのかを定義する。
例えば、上の例で書いたような不衛生な水問題に困っている人々は世界中に大勢いる。

もちろん一度に全ての人々を救うことができれば、それに越したことはないが、現実的には一度に全ての人々に手を差し伸べることは難しい。
そう考えると、ある程度地域を絞り込むことが必要となる。
(「水問題を世界から一掃する」と言ったビジョンやミッションを持つ事は構わないし、素晴らしいことだが、それは個別の事業の目的というよりは、あくまで組織全体のビジョンやミッションとした方がよいかもしれない。)

記入例)水問題に困っているA国のB地域(C村、D村、E村)の人々、特に子供たち

3.提供する社会価値(Social Value Proposition)
ここでは、「2.社会問題解決の対象者」に対して、どのような価値を提供するかを定義する。
通常、ビジネスの世界では、顧客価値提案、提供価値と言った言葉を使うが、ここではこれらの言葉と区別する為に、”社会問題を解決する為に提供する価値”の意味で、「提供する社会価値」という言葉を使いたい。

記入例)衛生的な水に簡単にアクセスすることが可能となる井戸

注意したいのは、提供するモノやサービスにフォーカスしすぎないことだ。
記入例では、提供するモノにフォーカスすると、単純に「井戸」とだけ書けばよいことになる。途上国の人々に対して井戸を提供するプログラムであれば、提供する社会価値は「井戸」で問題無いように思える。

しかし、このブロックで定義したいのは、社会問題を解決するためにどのような「価値」を提供するか、ということだ。重要なのは「井戸」ではなく、「衛生的な水に簡単にアクセスできること」であることを忘れないでほしい。

もちろん最終的には井戸を掘ることで水問題を解決するのだが、「井戸」によってどのような価値をもたらすのか、という根本的な問いに対して、このブロックでは答える必要がある。

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