TCAP’s VIEW & INSIGHTS #2 /ソーシャルビジネスをデザインする – TCAP ソーシャルビジネスモデル・フレームワークを解説 | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

TCAP’s VIEW & INSIGHTS #2 /ソーシャルビジネスをデザインする – TCAP ソーシャルビジネスモデル・フレームワークを解説

TCAP, ビジネスモデル/戦略/組織
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4.デリバリーチャネル(Delivery Channel)
このブロックでは、「3.提供する社会価値」で定義した価値をどのように「2.社会問題解決の対象者」に届けるのかを定義する。
つまり誰がどうやって”井戸を掘るのか”ということだ。

記入例)A国内で活動中のNPO「ABCD waters」、A国内で事業を展開する建設会社・Z社との協働により、井戸を採掘

自社で井戸掘りのノウハウやスキル、現地の情報や人材を有しているのであればその限りではないが、
特に自社でこうした経営資源を保有していない場合、記入例のように他団体や企業との協働によって、価値をデリバリーする必要があるだろう。

5.社会(Society)
さて、次に登場するのは「社会」というブロックだ。
どのような社会問題解決モデルにおいても、自らが取り組む社会問題について社会に対して発信していく事は、非常に重要である。

もちろん誰にも何も発信せずに、密かに社会問題に取り組むことも可能ではあるが、問題を社会全体で共有し、個人・個社が取り組む問題としてではなく、社会全体で取り組むべき問題として世の中に認識させることは、ある意味で社会問題解決に取り組む者の使命と言って良い。

社会問題はその性質上、社会全体の意識を変えることが非常に重要となることが多い。その為、ソーシャルビジネスモデル・フレームワークでは、「社会」というブロックを設けて、どのようなセグメントに向けて、どのような内容を発信するかを定義する。

記入例)日本国内(主に東京都を中心とした都市部)において、A国における水問題の概要を発信

6.コミュニケーションチャネル
社会に対する発信内容を決定したら、それをどのようなコミュニケーション媒体で発信するかを定義する。

記入例)都市部の主要路線の電車内に広告を掲載

7.主要な活動
このブロックでは、「3.提供する社会価値」を実現する為に、どのような活動が重要となるかを定義する。

「衛生的な水を途上国に届けるプログラム」において重要な活動と言えば、例えば予め決まった予算・期間内に、計画した数の井戸採掘を実現する為のプロジェクト管理が重要となる。

特に、今回は「4.デリバリーチャネル」で定義した通り、他のNPO団体や企業との協働事業となる為、複数のパートナーによるアクティビティを管理し、円滑にプロジェクトを進めていくプロジェクト管理タスクは必要不可欠だ。

また、A国の政府機関、対象となる村の村長やキーマンとの調整も重要な活動になるかもしれない。

記入例)複数のパートナーによる協働を適切にマネジメントするプロジェクト管理機能
ステークホルダーとの調整(A国政府機関、C、D、E村の村長)

8.経営資源
最後に必要な経営資源を定義する。一般的に経営資源とは、ヒト・モノ・カネ(・情報・時間)と言われている。

ここで重要となるのは、例えば人材だ。「7.主要な活動」で重要な要素として定義したプロジェクト管理を遂行する為の、スキルや調整力のある人材が不可欠となる。
自ら井戸を掘るのであれば、採掘機器等が必要となるが、今回はパートナー企業が保有している前提とする。ただ、フレームワーク上はその旨を記載しておいた方が良い。

記入例)プロジェクト管理スキルを有した人材
採掘機器(Z社が保有)

さて、ヒト・モノ以外にも、カネも重要な経営資源であるが、ソーシャルビジネスモデル・フレームワークでは、”カネ”については切り出して考えることとなる。

再度、フレームワークの図を見て頂きたい。
”カネ”の欄が、「社会問題解決モデル」と「ビジネスモデル」にまたがっている事に気づいて頂けただろうか。

経営資源のうち、特に資金に関しては、「社会問題解決モデル」と「ビジネスモデル」で統合して考えていく事になる。これについては、後段の「ビジネスモデル」の部分で合わせて詳しく説明していく。

9.資金提供(Funds)
ここでは、資金提供の流れを整理する。
注意してほしいのは、ここに記載する項目はあくまで、この後説明する「顧客」以外から得られる収入である。

今回はミネラルウォーターメーカーのα社が、顧客に対してミネラルウォーターを販売し、その収益の一部を井戸採掘プログラムに寄付するモデルだ。
しかし、これとは別に助成金の申請が効く場合、その他、企業などから大口の協賛金が期待できる可能性もある。
(当然、大口の協賛金を求めるために営業活動が必要と言う意味では、協賛金を出してくれる企業は後程ビジネスモデルにて説明する「顧客」と言えるかもしれないが、今回の例では協賛金はメインストリームではない為、別途「資金提供」の欄に記入しておく。)

記入例)企業からの協賛金
助成金

以上が「社会問題解決モデル」の構成要素となる。

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