グローバルな社会問題に立ち向かう、イノベーションの新たな時代 – 「イノベーションのジレンマ」を越えて | TCAP SOCIAL BUSINESS REVIEW online

グローバルな社会問題に立ち向かう、イノベーションの新たな時代 – 「イノベーションのジレンマ」を越えて

ビジネスモデル/戦略/組織, 社会問題
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では大企業のカタリストがイノベーションを起こす分野は、なぜ「社会問題」なのだろうか。
第三期のスタートアップ企業のように、テクノロジーを駆使して新たなインターネットサービスを立ち上げることにはならないのか。

一つは、外部要因として、ポーターの「共通価値の創造」*1にあるように、営利と非営利の境界が曖昧になりつつある時代の流れが理由として考えられる。

もう一つ、内部要因として考えられることは、第四期で大企業がイノベーションの源泉とするモノに関連すると考えられる。
既に述べたように、第四期のイノベーションでは、大企業のカタリストは社内のリソースやナレッジ、ビジネス機能と言った、社内の豊富な資源や能力を存分に活用することになる。
そして、グローバルな社会問題を解決するには、もちろんグローバルなインフラ、強いブランド力、ハイレベルなナレッジなどが必要となる。

世の中である意味最もニーズの高い問題である、グローバルな社会問題(飢餓、医療、教育…)の解決に最適な組織の一つが、大企業であったと言うことだ。

*1 共通価値の創造 “Creating Shared Value”
マイケル・E・ポーターが提唱する考え方で、経済的価値を創出しながら、社会的価値を創出するアプローチ。
ネスレ、ユニリーバ、IBM、GE、ウォルマート等が既に取り組みを始めている。以下のコラムも参照。
ビジネスパーソン必読! “社会問題への対応”が企業の戦略に!? – マイケル・ポーターの”共通価値”を理解しよう

大企業が社会問題を対象にイノベーションを起こす時代
冒頭に紹介したイノベーションのジレンマでは、大企業がイノベーションに立ち遅れる理由が述べられていた。
しかし今、スコット D.アンソニーが提唱するイノベーションの第四期では、その大企業がグローバルな社会問題の解決という新たな次元で、主導権を取り戻そうとしている。

ハーバード・ビジネスレビュー誌のようなビジネス誌に、このような論文が掲載されることから分かるように、大企業が営利事業として、本業で社会問題解決に取り組む潮流は、もはや時代の流れと言っていい。
 
個人的には、この先この潮流はさらに加速していくと考えている。
営利企業は、いち早く社会問題解決をビジョンに据えるよう方向転換すべきだ。
ただ、この方向転換は企業のビジョン、戦略レベルに深くかかわる問題である為、一朝一夕ではすまないはず。

次のネスレやユニリーバを目指す為に、営利企業にはドラスティックかつ忍耐強い変革の実行が求められる。

(文/五十嵐裕一)



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